「ゆめタウン」などを展開する流通大手のイズミに、32年ぶりとなる新社長が誕生しました。新たな舵取り役に意気込みなどを聞きました。
先月1日、山西泰明氏に代わり町田繁樹氏が新社長に就任しました。創業家以外から初めての社長です。

イズミ 町田繁樹社長
「緊張するんで(そうですか)山西前社長とかは全く緊張しないが、僕は緊張する。(会見の時も)緊張してました」

町田新社長は福山市出身の58歳。事業部長として衣料品を収益の柱の一つに成長させ、経営企画本部長など経営全般に携わってきました。
小林康秀キャスター「まずは社長就任おめでとうございます。いかがですか」
イズミ 町田繁樹社長
「やっぱり責任の重さを毎日感じる、きのう誕生日だったんですけど、この一年何が出来るんだろうって楽しい誕生日ではなかったですね」
まずは、今後の店舗展開です。現在の198店から将来的には300店まで増やす計画です。

イズミ 町田繁樹社長
「なかなか広島エリアで新規出店なかなかできてない、場所の問題が一番なんですけど、今、食品専門のスーパーマーケットこれを基軸に成長していきたい、地域に貢献したいという思いがあります」
出店は独立した店舗に限りません。
イズミ 町田繁樹社長
「一例として、広島駅のミナモアに出店させて頂いたように、自社店舗ではなくビルの中でも当然あるわけでして、色んな形がある中で、私としては優先的に広島市内の出店を社内でも検討してくださいということを指示してるという状態です」

店舗展開とともに力を入れるのがプライベートブランドです。
イズミ 町田繁樹社長
「これが当社が今展開させていただいてるセブンプレミアムですけど、当社の規模感ですぐできるかというとなかなかできない。やっぱり順番的に松竹梅あったとしたら梅から今回スタートさせていただく」

物価高の中、価格をコントロール出来るメリットがあるといいます。
イズミ 町田繁樹社長
「鮮度の良さも重要な食材をPB化していってその中で値段が安い、圧倒的に安いものを今準備をしてるというところございます」
新しいネーミングも検討中です。
イズミ 町田繁樹社長
「社内で皆さんで聞いて頂きながら決定すると、まだ決まってないんですけど(社長の中にこれっていうのはある?)僕がこれって思ったのは女性の方では最下位の方だったので合わないなと言うことで」
低価格を軸に、味、安全の3拍子がそろったプライベートブランドを9月にお披露目したいと意気込みます。
去年、買収した西友が九州地区で展開するスーパー「サニー」からは、経営ノウハウを取り入れます。
イズミ 町田繁樹社長
「サニーの運営は、当社が10人でやる仕事を6人とかでやっていて、当社のスーパーマーケットの中にサニーが運営してるような多能工化という言い方をしますけど、お刺身を切る以外は全部やる、スーパーの中でですね、そういう形のやり方と仕組みを同時に当社の中に入れていければ、経営効率の店舗効率もぐっと上がってくると思っています」

M&A=合併・買収については今後も継続すると話します。
イズミ 町田繁樹社長
「我々と一緒にやることでその会社がもっと良くなると、先方も我々も思う案件じゃないと、地域のお客さまに支持されないですよね、なのでそこに重点に置きながら、当社としては積極的にM&Aを今季も来季も進めていきたいと考えています」
去年、広島市のゆめテラス祇園で5年ぶりに盆踊り大会を再開しました。

イズミ 町田繁樹社長
「当社の経営理念が、社員が誇りと喜びを感じ、地域とお客様の生活に貢献し続けるとあるんですけど、これは実現しないといけない。西日本豪雨、熊本地震の災害のときにはお役に立てたような気がすると本当に思ったんです。災害のときにお役に立つのは当たり前のことであって、日頃の生活において本当に社員も僕も、貢献してるって言われたときにそれを本当に実現して、イズミに入ってよかったと、誇らしいよねと社員や社員の家族が持ってもらえるように地域や行政と連携してやっていきたいというのが一番の思いですね」

就任会見では「趣味は仕事」と話していた町田社長ですが・・・
小林康秀キャスター「がらっと話を変えまして趣味であったり、リフレッシュ方法などがありましたら」
イズミ 町田繁樹社長
「実はですね、弊社の店舗っていろんなところにありますよね、いろんな県とかに。ここでしか食べれない、食べログで強いのは何だとかですね、せめて昼ご飯ぐらいは一人で美味しいものみたいな」

ご当地グルメを楽しみにしているとは言いますが・・・
イズミ 町田繁樹社長
「特産物だったり、そういう食べ物の名店でもそうなんですけど、買って帰って、うちの店においてないものがあると、そこの会社とか行って地域の味だからうちのスーパーでも売らしてもらえないんだろうみたいな話にもなりますし、趣味も実益も兼ねていいかなと」
小林康秀キャスター
「会見でも仕事が好きだとおっしゃっていましたが、今うかがっても仕事の延長線上でやっているような」

イズミは、戦後間もない1950年に山西義政氏が作った衣料品問屋「山西商店」がルーツです。

イズミ 町田繁樹社長
「衣料品問屋からスタートして、このお話はお亡くなりになった名誉会長からよく聞かせて頂いて、電車で大阪に商品仕入れに行ってたって話をですね。夜行電車でですねよく聞かしていただいてまし」
「この言葉がでも一番好きで。革新、挑戦、スピード・・・次の革新、次の挑戦がこのスピードを持ってできるかどうか、創業家ではない私がトップをやる理由は、いろんな声が上がっても即断即決でやりやすいと」

(2014年11月27日放送)11年前、創業者の山西義政氏と同じように店内を歩きました。
創業者 山西義政氏
「どのようにしたらお客さんが本当に喜んでくださるんかな、それが原点ですよね」

そのDNAは、2代目の泰明氏、そして、3代目の町田社長に引き継がれています。
イズミ 町田繁樹社長
「一番大事だったのは、山西名誉会長がおっしゃっていたお客様の笑顔。そのためにやってたんだよ。当時創業、服が手に入らないとき、一生懸命何とか調達してきて、それを店頭に並べて買ってくれる人、その笑顔だけでお腹がいっぱいになったという話をされてて。創業当時の64年前の考え方と、根底にあるものは何も変わらない、創業家以外だからとかいうことをおっしゃる方もたくさんおられるんですけど私は全く感じてなくて、DNAや考え方が一緒であれば同じ思いで繋いでいける」

スタジオ)
町田社長は「広島でできることは他の県でもできる、広島でできないことは他の県でできない。広島の街で、お客様からの信頼を得ることが、我々に与えられた使命」と話される。新しい舵取り役に注目していきたい。
