カルチャーの発信地=東京・下北沢で先月、老舗のジャズバーが閉店しました。歌手の中島みゆきさんの楽曲「LADY JANE」でも歌われた有名店は、なぜ歴史に幕を下ろしたのでしょうか。
静かに佇む1軒の店。下北沢、「LADY JANE」。数多くの文化人が愛した伝説的なジャズバーで、名優・松田優作さんも通った店です。
「LADY JANE」オーナー 大木雄高さん
「最初来たときは覚えてる。俳優たち3~4人と来たんですよね。空いていたんですよ、店が。『ちょっとこっちに来て飲みませんか』って」
オーナーの大木雄高さん(79)。4月13日、店は惜しまれつつ閉店しました。
音楽・古着・演劇。路地の入り組むこの街で様々なカルチャーが発展してきました。
「LADY JANE」オーナー 大木雄高さん
「文化の香りがにおってくる街だと。(客には)世にまだぱっと浮かび上がっていない小説家の卵とか、歌手の予備の人とか。自己を反映するには反映しやすいというか」
しかし今、「シモキタ」は再開発などによりめまぐるしく変化しています。地下化した線路の跡地を活用したり、高架下を利用して複合施設ができたり。また、世田谷区は市民と意見交換を行った上で、駅前ロータリーの建設などに取り組んでいるとしています。
訪れた人
「車で通るときに通りにくい道が多かったので、どんどん通りやすくなるのはうれしい」
利便性・安全性が増す「シモキタ」。一方で「LADY JANE」は、再開発の直接の対象エリアではなかったものの、入居する建物の賃貸契約が切れて閉店することに。大木さんは、「再開発が建て替えを促進した影響」と考えています。
「LADY JANE」オーナー 大木雄高さん
「契約更新がありますよね。更新はしない。契約しないということは『出て行ってくれ』です。もう嫌になっちゃったわけですよ、喧嘩するのが」
訪れた客
「寂しいものがありますよね。(街に)昔のスタイルというか、昭和の雰囲気がないのが我々には寂しい」
店内に飾られたモノクロの「シモキタ」の写真。大木さんが写真家にお願いして撮影されたものでした。
「LADY JANE」オーナー 大木雄高さん
「(再開発が)スピーディーに動こうとしているから、動く前に写真で風景を切り取っておいてくれと。50年分の文化遺産のようなものが多々ある。それを撤収しなければいけない」
今後、店にあった思い出の品を、「シモキタ」のどこかに展示することも検討しているということです。
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