日本学術会議の組織改革法案をめぐる国会審議が大詰めを迎える中、日本学術会議に所属する学者らが国会前で法案修正を求め“人間の鎖”でアピールしました。

きょう午後、国会前で“人間の鎖”をつくって日本学術会議の組織改革法案の修正を求めたのは、日本学術会議に所属する大学教授たちと市民です。

大学教授らは、その後、参議院議員会館で集会を開き、国会議員らを前に修正を求める理由を次々と挙げて説明しました。説明によると、現在の法案では、総理が任命する「監事」が新たに置かれるなど政府のチェック機能による悪影響が懸念されています。

日本学術会議の元会長で東京大学の広渡清吾名誉教授らは、時には政府にものを言える存在であるために政府からの独立性などが保障される「ナショナル・アカデミー」がなくなるようなことがあれば先進国として恥ずかしいとして、「独立性を損なう懸念がある現法案の修正が必要だ」と述べました。

日本学術会議の組織改革は、5年前、当時の菅総理による候補者6人の会員任命拒否をきっかけに検討が始まりました。任命拒否の理由については現在に至るまで政府は明らかにしておらず、日本弁護士連合会などは、「問題を放置したまま学術会議の法人化を進めていくことも看過できない」と抗議を続けています。