フランシスコ教皇の死去を受け、カトリック教会の新たな指導者を選出する「コンクラーベ」が7日、バチカン市国で始まりました。結果は礼拝堂の煙突から上がる”煙の色”で知らされることになっています。この煙、誰がどうやって出しているのでしょうか?
コンクラーベの裏側、知られざる「ストーブ」の役割
教皇を選ぶカトリック教会の最高機関「コンクラーベ」が行われているのは、バチカンのシスティーナ礼拝堂です。世界中から集まった枢機卿たちが外部との接触を断ち、厳粛な雰囲気の中で次期教皇を選ぶ選挙で、カトリック教会にとって最も重要な儀式の一つです。
外の世界に「選出の成否」を伝えるのは、礼拝堂の屋根から立ち上る「煙」。選出に至らなかった場合は【黒い煙】、新教皇が決まった場合は【白い煙】が上がります。
この煙を生み出す重要な役割を担っているのは、礼拝堂内に設置された2台のストーブです。
カトリック中央協議会によりますと、ストーブは祭壇に向かって後方左手に設置されており、黒い鋼鉄製で高さ約1メートル。過去のコンクラーベで使用された教皇の名前と選出年月日が刻まれているということです。
2台のストーブのうち、古い方は投票用紙を焼却する専用。もう1台は、投票結果に応じて煙の色を調整するための化学薬品を混ぜて燃やす専用です。これにより、サンピエトロ広場からもひと目で分かる【白煙】や【黒煙】が出される仕組みになっているということです。
煙の白・黒をはっきりさせるため、ヨハネ・パウロ一世を選出したコンクラーベから、投票用紙と一緒に化学薬品を混ぜて焼却するようになったということです。
コンクラーベが行われている今、ストーブから立ち上る煙に、世界中の注目が集まっています。