
なお、警察が動くことが難しい現状もあります。
広島県内では、2023年5月の高校生の陸上競技会で、客席から女子生徒の下半身を拡大して撮影したとして、男が県の迷惑防止条例違反で逮捕されています。
2023年7月には、性的な撮影などの被害拡大を防ぐための法律、「性的姿態撮影等処罰法」いわゆる「撮影罪」が施行されました。
施行以降2年間の県内での検挙数は232件に上りますが、「撮影罪」は、ユニホーム姿のアスリートを撮影すること自体は対象としていません。
そのため現状は、「撮影罪」よりも法定刑の軽い「県の迷惑防止条例」が適用される可能性が高くなっています。
また、不特定多数が出入りできるという状況も、事件化をより難しくしています。
広島陸上競技協会の新宅昭二競技運営委員長は「観客は大勢いる中で、保護者・関係者なのか、盗撮目的の人なのか、見分けるのは困難」と話しています。