イギリスとインドの両政府は、FTA=自由貿易協定を締結したと発表しました。アメリカのトランプ政権が打ち出した関税政策への懸念が生じたことで交渉が加速しました。

イギリスのスターマー首相とインドのモディ首相が6日、電話会談し、自由貿易協定を締結したと、それぞれ明らかにしました。

イギリス政府の発表によりますと、ウイスキーや化粧品、医療機器などインドへの輸出品の9割で関税が引き下げられる一方、インドからイギリスへの輸出では衣料品や靴、冷凍エビを始めとする食品などで関税が引き下げられるとしています。

この協定により、イギリスでは2040年までに48億ポンド、およそ9100億円の経済効果があると試算しています。

イギリス スターマー首相
「イギリスにとってもインドにとっても歴史的な日です。なぜなら、これはイギリスがEUを離脱して以降、最大の貿易協定だからです」

スターマー首相はさらに、「世界で最も急速に経済成長しているインドとの協定は、イギリス国民と企業に利益をもたらす」としていて、世界経済の不透明感が増す中、潜在力の大きいインド市場を取り込みたい考えです。

協定をめぐっては、2022年に交渉が始まったものの一時中断。今年2月にトランプ政権の関税政策による貿易停滞が懸念されたことなどから交渉が再開されました。