太平洋戦争を描いた絵馬

79歳で亡くなるまでおよそ200点もの大絵馬を描いてきた百耕さんが太平洋戦争を描いた絵馬が1枚だけ残っています。

「シンガポール上陸図」。
1942年2月、太平洋戦争の開戦から2か月後、日本軍は激戦の末イギリスの植民地だったシンガポールを占領しました。

この絵馬には、日本兵だけでなく、連合軍側として戦ったマレーシアやインドの兵も描かれています。
吉村百耕さんの孫 吉村精高さん(72)
「東洋の島国が世界中を植民地にしていた大英帝国と闘って勝利したということはものすごく番狂わせだと思うんですよね。日本中が湧いてたったようなエキサイトした大勝利だったと思います」
戦場を描いた絵馬がどうして神社に納められたのでしょうか?
もともとは生きた馬を神社に奉納したのが絵馬の始まりだと言われます。

櫻井神社・外山穰也 宮司(78)
「本来、馬を神馬として奉納してあったということですね。だけど馬はあげれないから、受け取る方もそんな沢山、馬もらってもということでこういう絵馬という形になりました」
やがて絵馬には、馬だけでなく、願い事やその時代を象徴する出来事が描かれるようになりました。