祖父の絵馬を写真集に

シンガポール上陸図は傷みが進み絵の具は剥がれ落ち、描かれた人々の顔は消えかけています。

精高さんは祖父の絵馬を写真に収め、劣化する前の姿を写真集として残す作業に取り組んでいます。

吉村百耕さんの孫 吉村精高さん(72)
「今年80年ですけど、原爆の被害者の語り部の方たちもどんどんどんどん亡くなっているわけですよね。絵馬は上手く保存していけば何百年かは持ちますから、そういう意味で半永久的な語り部となる材料になると思う」

歳月を経て絵馬が朽ちていくように戦争の記憶が失われていく今、精高さんは、この絵馬に描かれているように日本が再び戦争をするような時代が来ることを危惧しています。

吉村百耕さんの孫 吉村精高さん(72)
「今また新しい戦前と言われているじゃないですか。兵隊に行く人も行きたくないし、家族も社会自体も戦争なんかしたくないですよね。昔の日本の戦を振り返ることによって、現代を見直すというか。」