沖縄県は、県民の生活実態や意識を把握し、より効果的な施策の立案・実施に活用することを目的とした「県民意識調査」を実施し、結果を公表した。調査は12回目。調査では、県民の自己像、沖縄県への誇りといった “意識” や、生活状態、重要度・充足度、重点施策などが分析された。

【画像で概要版を見る】県民の約9割が「沖縄に生まれ、沖縄で生活できて良かった」と回答 2024年の「県民意識調査」

県民の ”幸福感” と沖縄への愛着

県民の「自己像」を聞く項目では、「今、幸せだと感じていますか?」という質問に対し、83.6%が「幸せ」または「どちらかと言えば幸せ」と回答し、2021年の前回調査と同程度の水準を維持した。

また「現在の社会に全体として満足していますか?」と尋ねた質問には、「満足・どちらかと言えば満足」とした回答が前回より3ポイント増えたものの、33.5%にとどまった。

一方、55.3%が「満足していない」または「どちらかと言えば満足していない」と回答し、社会全体に対する評価は今回も厳しい結果となった。

「沖縄県に誇りを感じますか?」という質問には、県民の83.3%が誇りを感じていることが分かった。また87.9%が、沖縄県に生まれ、あるいは生活できて良かったと回答した。これらの数値は前回調査と同程度か、やや上昇している。

生活状態(くらしむき)は悪化

現在の生活状態については、43.2%の県民が「変わらない」と回答したが、「悪くなった」「極めて悪くなった」と答えた割合が前回調査より4.5ポイント増加した。また今後の生活状態は「悪くなると思う」と答えた割合が29.2%と、前回調査より6.3ポイント増えた。将来不安が拡大していることが伺える。

県民の日常生活に必要な事柄のうち、最も重要度が高い項目には前回調査と同じ「安心して家庭で水が使える」ことが挙げられた。上下水道施策については、充足度(満足度)で上位1、2位に入り、おおむね満足度が高いことが示された。

一方、相対的に重要度は高いが充足度が低い施策には、「物価の安定」「収入が着実に増える」「教育環境」などが列挙され、県民ニーズに対する取組が求められる項目が浮かび上がった。