「踏ん張りすぎた」けど諦めない
6月に入った頃から、深瀬さんは急に授業を受けられなくなりました。何か理由があるわけではありません。体が思うように動かないのです。

学校の入り口まで来て、先生たちに挨拶だけして、そのまま帰ってしまうという日もありました。
先生「OKです。またね。じゃあまた明日。またね。気をつけてね」
先生たちも、深瀬さんをあせらせることなく静かに見守ります。
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登校出来ない日が続き、いよいよ夏休み前日という時。教室を覗くと、深瀬さんの姿がありました。帰りの会で、入学からこれまでを振り返ります。
深瀬さん「前半はこう…ちょっと踏ん張りすぎたかなってところがあったんですよね。5月の後半あたりからちょっとペースを乱して、来られなくなったんです」
そして、これからについても、自分の言葉で伝えました。
深瀬さん「今の自分が嫌いだと思ったんですよ、正直。だけどそれで終わりじゃなくて、それを好きになれるように変えたいと思ったんです」
「だからそれを実現できるように、9月から頑張っていきたいと思っているので、よろしくお願いします」
深瀬さんの気持ちに、教室はあたたかな拍手でこたえました。
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その後、深瀬さんは自分のペースで登校しています。
深瀬さん「水曜日、今から始まりの会を始めます。きょうの日直は深瀬です。健康観察をします。先生お願いします」