山形県尾花沢市の人口200人の地区が今注目を集めています。その理由は「かかし」。3年前に「かかしの郷」を宣言したこの地区がかかしで注目される理由と、かかしづくりのきっかけとは?

山間部に現れる『かかしの郷』

山形県尾花沢市西原地区


山形県尾花沢市(おばなざわ)の中心部から北に5キロほど離れた西原地区(にしはら)。
76世帯、人口200人ほどの地域です。
その西原地区が注目を集めるのが住民手づくりのユニークな『かかし』です。

畑はもちろん…
道路や…
看板横にも「かかし」がいます


3年前から多くの住民が参加して地区内の様々な場所に設置しています。
公民館には地図も設けられ、見物に訪れる人も多いそうです。

西原地区親睦会の溝越(みぞこし)会長がかかしをつくるきっかけになった場所に 案内してくれました。

きっかけは、「ばあちゃん、ばあちゃん」…返事がない

この中に「かかし」がいます
西原地区親睦会(花いっぱいの会)溝越正廣会長


西原地区親睦会(花いっぱいの会)
溝越正廣会長
「山形からのセールスマンがお客さんの家に来たんですけど、だんだん民家もなくなって不安で、(見かけた)ばあちゃんに声掛けて、『ばあちゃん、ばあちゃん』と聞いても返事しないから肩叩いたら、かかしだった」

セールスマンが人と間違えた「かかし」


花いっぱい活動をしていたグループの会合で、その話をしたところ、『面白い、作ってみよう』ということになり、3年前に『かかしの郷』を宣言。鳥獣害対策と地域活性化を目的にかかしの制作を始めたそうです。 


まさに「遊び心」から始まった取り組みでした。

セールスマンが声をかけたという「かかし」を作った阿部サガエさんです。

「かかし」と「おばあちゃん」


阿部サガエさん
「サル来っから。サル来てよ、カボチャだって何だって、マメだってみな獲っていくのよ。だから、かかし置いたべ。腰曲がって草むしりしていた格好でかかし置いておいた。だから声掛けるんだべ。よく声掛けるのは宅急便。宅急便がよ、ばあちゃん、ばあちゃんって何回も呼ばるんだと」


こちらの作品は尾花沢花笠まつりの数ある流派のひとつ、地元寺内流のダイナミックな踊りを表現しています。