長野県内では初めてとなる、手術支援ロボット「ダビンチ」を使った咽喉頭がんの手術が、このほど信州大学医学部附属病院で行われました。

担当した信州大学医学部附属病院の鬼頭良輔准教授によりますと、手術は、4月21日に67歳の男性患者に対して行われました。

一般的なダビンチによる手術は、患者に手術器具を取り付けたロボットアームと内視鏡を挿入して、医師が離れた場所にある操作台から3Dの画面を見ながら遠隔で操作して行うもので、内視鏡などを挿入するための小さな穴を数か所開けるだけですむことから、胸や腹などを切って行う手術に比べ、患者への負担が少ないというメリットがあります。

提供:信州大学医学部附属病院


信州大学で行われたのは、咽喉頭がんの男性患者の口から、はさみのような鉗子(かんし)やカメラを入れて行う、経口的ロボット支援手術と呼ばれるもので、狭い部位での細かい作業を安全に行うことができるほか、切除する範囲を正確に設定することができるということです。

県内では初めて行われたもので、手術は、患部の観察などに30分、ダビンチによる悪性腫瘍の切除に30分の合わせて1時間ほどで無事終わったということです。

提供:信州大学医学部附属病院


2022年に、頭頸部がんに対する一部の手術に健康保険の適用が認められたことから、全国的には手術の件数が大幅に増えているということで、信州大学医学部附属病院では、今後も適応する患者にダビンチ手術を提供していくとしています。