世界で活躍する高松市在住の芸術家、濱野年宏さんの個展が大阪・関西万博で開かれています。

豊かな色彩と緻密な描写に、息をのみます。聖徳太子の生涯を四季を交えて描いた屏風は、15年かけて完成したという大作です。奈良県の中宮寺に奉納されています。

大阪・関西万博の会場内のギャラリーで開催中の「濱野年宏三大傑作展」にはこの日も多くの人が訪れていました。濱野さんは1937年、高松市生まれ。日本人の精神と文化を作品に昇華させ、世界中で高い評価を受けています。

(濱野年宏さん)
「いろいろな国の人が集まってくるでしょ、そこには深い意味があっていいと思います。西洋と東洋とはどのようにして融合したらいいのか」

ユネスコが後世に残すべき作品と認定した「茶室・桂離宮」シリーズは「わび・さび」といった茶道の本質を余分なものをそぎ落として表現しています。初公開の「十二神将屏風」です。薬師如来の守護神を、それぞれを意味する梵字とあわせることで、力強さが伝わってきます。

(濱野年宏さん)
「仏像を描いているけど、仏像と梵字とを重ねているんですね。文字とか暦とかは美術・芸術の始まりみたいなところがあるんです。そういう意味では世界共通であるということが梵字で言えると思います」

今年88歳になる濱野さん。自分の好きなものを描いていきたいといいます。三大傑作展はあすまで、大阪・関西万博のギャラリーEASTで開かれています。

濱野さんの作品が万博に招かれるのは1992年のセビリア、2005年の愛知に続き
今回が3度目です。