「過去」と「未来」...さぬきうどんの歴史をつなぐ試みです。坂出市の製粉会社が「99年前のうどん」を再現、さらに健康志向の「未来のうどん」をつくり試食会が行われました。

どちらも、今のうどんに比べ淡い褐色をしています。一つは「過去」の、そしてもう一つは「未来の」さぬきうどんです。

坂出市の製粉会社・吉原食糧が、「さぬきうどんの歴史的な価値を感じてほしい」と作った、過去と未来のうどんです。
「色が違いますね。(Qいまの小麦と違う?)そうですね」

今のうどんと違うのは、麺の材料となる粉。「過去のうどん」は99年前、大正12年(1923年)の資料に残る方法で作った小麦粉です。

(吉原製粉 吉原良一社長)
「実際に石臼でひいた小麦粉なんです。つまり大正12年の小麦粉の復刻版ということ。皮の部分も入れば胚芽の部分もあり、色がちょっと黒いんですけど、その分風味が強くて」

かたや「未来のうどん」は、健康食として注目される大麦を使いました。

(吉原製粉 吉原良一社長)
「大麦の2つの麦と『さぬきの夢』を両方合わせた小麦でうったうどんです。おいしく、かつ大麦の健康機能性を持つさぬきうどんの方向としては、それがあるかもしれないという提案です」
こうして出来あがった大正時代の味、「過去のうどん」と健康志向の「未来のうどん」です。

(古川豪太記者)
「見た目には分からないんですがですが、こちらが『過去のうどん』です」


「ずるずる」
「口に入れるとすごく風味があって、しっかりとした味わいです」

「そして『未来のうどん』の味は、ちょっと柔らかめですね。そしてかむと甘みが出てきます。未来の味です」
過去と未来のうどんは、11月3日に行われるイベントで、来場者にふるまわれます。

(吉原製粉 吉原良一社長)
「さぬきうどん自身の歴史もあるし、香川県の『生きるために麦を食べる』、そういう基本もありますので、そういったものを少し感じていただけたらな」

香川の歴史を味わう99年前のうどんと、健康に気をつかう時代の先に見えた未来の大麦うどん。いつの時代も人々のそばにあるさぬきうどんです。