長野県・上田市に100年を超える歴史を持つ“町の映画館”があります。映画館なのに、聞こえてくるのは子どもたちの笑い声。その理由は?

築108年 “町の映画館” 子どもたちの「居場所」に

長野県上田市にある「上田映劇」。地元の人や映画ファンなど多くの人が訪れてきた、築108年の老舗映画館です。そんな歴史ある映画館から聞こえてくるのは、にぎやかな声。

実は通常の上映の他に、学校に行きづらい子どもたちの受け入れもしています。

うえだ子どもシネマクラブ 直井恵さん
「学校に行っていない子は、居場所を探していたりしている。それなら『映画館の手伝いをしに来る?』って言ったのが、受け入れ(のはじまりです)」

ただ、映画館なのに“だるまさんがころんだ”や“字の書き方”を学ぶ子も。

このクラブでお兄さん的な存在が、17歳のけいじさん。中学2年生のときにこの場所に出会いました。

けいじさん(17)
「(学校では)同級生とうまくいかなかったり、人と接するのもちょっと難しかったり、自分をこれ以上苦しめるのいやだなって思って」

通い始めて約4年。自分でも“変わった”と思うことがありました。

けいじさん(17)
「シネマクラブのひとはみんな話しかけてくるから、そのおかげで自分も話しかけられるようになった

そんなけいじさんといつも一緒にいるのが小学6年生のしんきちくん(12)。

──シネマクラブってどんな場所?

しんきちくん(12)
「…あそびば?気になる映画を見たかったら見るし見たくないなって思ったらそこらへんで遊んだりできるから結構自由で楽しい

小学1年生の頃からこの映画館に通うようになりました。

しんきちくんの母親
「小学校に上がってからあんまり(学校に)行かないなと思っていて、やっぱり行けない理由が口では言えなくても、なにかあるんだろうなっていう感じがしていた」

はじめはうまく馴染めなかったそうですが、今ではこの映画館がのびのび過ごせる“ぼくの居場所”に。