28日に発表された春の褒章で「紫綬褒章」を受章した石川県輪島市の漆芸作家田中義光さん。能登半島地震による困難も経験しながら作品に向き合ってきました。

輪島市気勝平町にある自宅兼工房で、朝早くから作品づくりに勤しみます。

小さい頃から絵を描くことが好きだった田中さんは、地元の高校を卒業し、県立輪島漆芸技術研修所で漆芸を学んだ後も研鑽を重ね、2018年に47歳で独立。

身近にある花や貝殻など自然をモチーフにした作品を持ち味とします。2025年の現代美術展では最高賞の美術文化大賞も受賞しました。

田中義光さん「今まで素晴らしい先生方たちが受賞されていて、私がいま受賞した訳ですけど、私で良いのかな?とちょっと恐縮ですよね。正直。気が引き締まるというかそういう気持ちです」

2024年元日の震災によりおよそ3か月間水道が使えない中でも、1月には作品作りを再開しました。

能登の豊かな自然を漆芸で表現し続ける田中さん、若い世代にもエールを送ります。

田中義光さん「私たちの下の世代、若い世代たちが、自分も頑張ればとれるんだってそういう風に思っていただいて若い人たちがいっぱいまた漆の勉強をいっぱいしていただければそれが一番うれしいですね」

今回の受章を機にさらに高みを目指すとともに、伝統産業の復興を願ってやみません。