2期目の就任からまもなく100日を迎えるアメリカ・トランプ大統領。仲介するウクライナとロシアの和平交渉は停滞したままで、政権は双方に和平を急ぐよう圧力をかけています。

26日、バチカンのサンピエトロ大聖堂で会談を行ったトランプ大統領とゼレンスキー大統領。

アメリカ トランプ大統領
「ゼレンスキー氏との会談はうまくいったと思う」

トランプ大統領はこのように述べましたが、アメリカが仲介する和平交渉をめぐり、ゼレンスキー大統領は…

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ロシアはアメリカの提案を受け入れる意向があると話しているが、これまでのところ、ロシア軍が実際に沈黙する準備をしているという証拠はない」

その上で、「最も確実な措置を講じることができるのはアメリカだ」と対応を求めています。

一方、和平交渉をめぐり、ロシアは譲歩の姿勢を一切見せていません。トランプ政権は「アメリカが発電所を所有することがウクライナのエネルギーインフラを支援する最善の方法だ」と表明していましたが…

 ロシア ラブロフ外相
「そんな提案は受け取っていません」

ラブロフ外相はロシアが占領しているウクライナ南部ザポリージャ原発をめぐり、「アメリカ所有」の提案は受けていないとし、引き渡すことは「考えられない」と話しました。

また、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミアの扱いについては「議論されていない」とし、「ロシアは自国の領土について交渉することはない」と強調しています。

前進が見られないウクライナとロシアの和平交渉について、ルビオ国務長官は…

アメリカ ルビオ国務長官
「今週は、この取り組み(仲介)が続けていきたいものか判断するとても重要な週になる」

「ウクライナとロシアの和平交渉が実を結ばないのであれば、アメリカは仲介を続けることはできない」と仲介をやめる可能性を改めて示しました。ウクライナ・ロシアの双方に和平を急ぐよう圧力をかけた形です。

こうした中、北朝鮮はきょう、ロシアを支援するため兵士を派遣していたことを初めて認めました。

「国家元首(金正恩氏)の命令に従い、クルスク州解放作戦に参加した我々の部隊は高い戦闘精神と軍事的資質を余すところなく誇示した」

ロシアがウクライナ軍の越境攻撃を受けていた西部クルスク州を完全に奪還したと発表したことに触れたもので、犠牲者が出たことも認めました。プーチン大統領は金正恩総書記と北朝鮮の国民に「心から感謝する」との声明を発表しています。