スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は28日、2024年の世界の軍事費が前年比で9.4%増の2兆7180億ドルとなり、10年連続で最高額を更新したと発表しました。

急速な伸びを見せたのが、ロシアを含むヨーロッパ地域と、イスラエルが各地で戦闘を展開している中東地域です。

ウクライナ侵攻から3年目の2024年、ロシアの軍事費は前の年と比べ38%増えて、推定1490億ドルに達しました。ウクライナの軍事費は2.9%増えて647億ドルに達し、GDP=国内総生産に占める割合は34%と世界で最も高くなりました。

また、ロシアに対して警戒を強めるNATO=北大西洋条約機構の加盟国すべての軍事費が増加。ドイツは28%増えて885億ドル、ポーランドは31%増えて380億ドルとなりました。イスラエルは、パレスチナ自治区ガザへの攻撃に加え、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘が激化した影響で65%増えて465億ドルとなりました。

世界1位はアメリカで、世界全体の4割近い9970億ドル、2位は中国で、推定3140億ドルでした。

日本は、防衛力整備計画に基づき、アメリカから巡航ミサイル「トマホーク」を取得したなどとして、国防費は21%増えて553億ドルに達し、1952年以来、最も高い伸びとなりました。

アフリカでは近年、クーデターにより軍事政権となったマリ、ニジェール、ブルキナファソなどで増加していて、3か国の合計は24億ドルでした。

2024年は、世界100か国以上で軍事支出が増加していて、ストックホルム国際平和研究所は今後数年間はさらなる増額が見込まれると予想しています。