ロシアのラブロフ外相は、ウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所について、「アメリカが所有する」との提案は「受けていない」と話しました。また、和平交渉でクリミアの扱いについては「議論されていない」としています。

ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部のクリミアについて、ラブロフ外相は27日、アメリカCBSテレビの番組で、アメリカが仲介するウクライナとの和平交渉の中で、その扱いは「議論されていない」と明らかにしました。「ロシアは自国の領土について交渉することはない」と強調しています。

また、ロシアが占領しているウクライナ南部のザポリージャ原発に関しては、「アメリカが所有する」との提案は「受けていない」とし、アメリカに引き渡すことは「考えられない」と話しました。

こうしたなか、アメリカのルビオ国務長官はNBCテレビの番組で、停滞が続く和平交渉について、アメリカが仲介を続けるかどうか今週中に判断する考えを示しました。

アメリカ ルビオ国務長官
「今週はこの取り組みが続けていきたいものか判断するとても重要な週になります」

「ウクライナとロシアの和平交渉が実を結ばないのであれば、アメリカは仲介を続けることはできない」との考えを表明。仲介をやめる可能性を改めて示し、和平を急ぐよう圧力をかけた形です。

一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信はきょう、ロシアがウクライナ軍の越境攻撃を受けていた西部クルスク州を完全に奪還したと発表したことにふれ、金正恩総書記の指示のもと北朝鮮軍を戦闘に参加させていたと伝えました。

北朝鮮が軍部隊の派遣を認め、公表したのは今回が初めてです。

また、金正恩総書記は「首都には慰霊碑が建てられる」と述べていて、犠牲者が出たことも認めたかたちです。