退職予定の自衛官を対象にした合同業種説明会が岡山県奈義町で開かれました。参加したのは、人手不足が課題となっている運輸業などで、県内では初めてバスやトラックの運転体験会も実施されました。

(岡山県バス協会 伊藤雄造事務局長)
「民間バス会社は被災地へのボランティア輸送や自治体職員を運ぶこともあります。そういった意味で、自衛官を退官した後も同じように自衛隊との結びつきを感じることができますので、安心してこの業界に飛び込んでもらったらいいのかなと」

自衛官の生涯設計の確立と民間分野の人材不足の解決へ。陸上自衛隊日本原駐屯地で開かれた合同業種説明会です。運輸業からは21社が訪れていて、業界の魅力や待遇などを伝えていました。自衛隊からは、任期満了により退職を予定している20代前半の7人と、若年定年制などで退職を予定している13人が参加しました。

(長尾浩士一等陸曹)
「説明を聞くことによって仕事を選ぶ1つのきっかけになればと思いまして参加しました」

岡山県内では、毎年約50人が自衛隊を退職していて、培った技能などを生かした民間企業での活躍が期待されています。

(黒住聡丈記者)
「説明会では、バスなどを用いた運転体験会が実施されています」

「ミラーを見ながら前タイヤ、後ろタイヤを確認していただいて。なおかつ高さが3.8m近くありますので」

体験会には運輸業への就職を希望している6人が参加しました。大型の車両を運転することも多いという自衛官です。即戦力の獲得へ。人手不足が課題の運輸業界からは熱い視線が注がれています。

(両備バスカンパニー 岡山営業所 高嶋昇ブランチマネージャー)
「話を聞くだけではなくて、やはり乗って運転してみるということに関心も高いと思いますので、一度味わっていただいて、仕事にしていただくことを決心していただければ」

(山口穂高陸士長)
「陸上自衛隊にも大型トラックはあるのですが、それとはちがった車両感覚というのを身で感じる。いい経験になったなと思っています」

(山本泰慈陸曹長)
「運送業に少し興味が出たかなと思いまして。今後の生活にいかしていけたらと思います」

自衛隊岡山地方協力本部は、今回参加した自衛官にアンケートをとるなどして、来年以降も説明会や体験会を続けていきたいとしています。