青々と生い茂るコーヒーの木。こちら、ブラジルではなく、鳥取県の境港市なんです。冬には気温が氷点下にもなる山陰でコーヒー栽培されているワケとは。


 

境港市の工場の敷地内にあるビニールハウス4棟を埋め尽くすのは、全てコーヒーの木。
その数、合わせて2万本です。

記者 土江諒
「すごい量のコーヒーの木がありますね。そして実もしっかり付いています。」
 
このコーヒーの木から作られるのが。

記者 土江諒
「ほうじ茶のような風味で、本当にスッキリしていて飲みやすいお茶です。でもこのお茶、実は、コーヒーの葉っぱが茶葉として使われているんです。」

コーヒーではなく、「トリゴネコーヒー茶」というお茶なんです。
開発したのは、境港市のコーヒーや紅茶の専門店、澤井珈琲。

澤井珈琲 澤井由美子 顧問相談役
「コーヒーの葉っぱで健康なお茶を作りたかったんです。トリゴネリンを多く含むお茶で。」

「トリゴネリン」。
コーヒーの生豆に多く含まれていて、認知症予防効果が期待されている成分です。
それが、葉にも含まれていることに澤井珈琲は着目し、原料となるコーヒーの葉を無農薬にこだわり、2017年、自社栽培をスタートさせました。

澤井珈琲 澤井由美子 顧問相談役 
「北緯25度がぐらいがコーヒーの栽培に適している気温だが、ここ鳥取県境港は35度で北緯。絶対皆さんが無理だって言われていたんですが、こうやって元気に育っています。」
 
土地や気候などに生育条件があり育てるのが難しいコーヒーですが、ビニールハウスでの栽培と熱心な手入れで、境港市でもコーヒーの木はすくすく成長しました。

一方で、収穫した葉を普通に焙煎すると青臭い味に。

記者 土江諒
「葉っぱのえぐみが表に出てきちゃっている。ちょっと進んでは飲めない感じですね。」

鳥取大学などと共同開発を進め、熱に弱い「トリゴネリン」を損なわず、コーヒー茶葉特有の青臭さを消すことに成功し、今年8月にはその製法で特許を取得しました。

澤井珈琲 澤井由美子 顧問相談役 
「皆さんが美味しいって言っていただけるお茶が作れたことをうれしく思っている。」
 
研究を重ねたどり着いた「トリゴネコーヒー茶」。澤井珈琲の直営店やインターネットで購入できます。