―――新たな変異株は、オミクロン株「BQ.1.1 通称:ケルベロス」です。アメリカ、イギリスなど48カ国で報告されアメリカの最新データでは全体の7.2%と推計されています。日本でも検疫11件、国内6件が確認されています。

そして、オミクロン株「XBB 通称:グリフォン」は、インドなど21カ国で確認されていて、シンガポールの最新データでは全体の54%と推計されています。9月時点で6%だったので、1ヶ月で急増したということがわかります。日本では検疫で7件確認されています。

―――広がり方は、かなりの勢いとスピードですね。

そうです、これまでのものに取って代わるものですから、感染力がやはり強いと考えられるかと思います。変異株のニックネームは、いわゆるBA株の中で、いろんなタイプが合わさったものということで学者が最初に「ケンタウロス」とつけた。これも同じで、ヘビとイヌ、ワシとライオンですから、違うものが合わさってるということでつけ始めたんですね。

――以前、「ケンタウロス」が流行った際は、非常に感染力が強いんじゃないかと言われましたけども、日本で広がらなかったのはなぜ?

BA.2に対して、日本人は感染を一度経験してますから、BA.2.75(通称:ケンタウロス)があまり広がらなかった理由の一つでしょう。もう一つは、BA.5がその後に入ってきて、BA.5の方が感染力が強かったんじゃないかというふうに考えられます。

―――「ケルベロス」と「グリフォン」。宮下教授によりますと「どちらも感染力は強いと見られているが、毒が強くなっているとは考えられていない」としています。

オミクロンの特性は、免疫を逃避するような、いわゆるスパイクたんぱく(突起の部分)が変異していきます。簡単に言うと免疫を逃避すれば感染力は増します。ですが、重要なのはやっぱり『毒力』です。今のオミクロンはあまり強いものではない。ただ、高齢者と基礎疾患を持たれている方は要注意と言えます。