1971年の『渋谷暴動事件』で、当時現場にいた新潟県警の警察官を殺害した罪などに問われている男の初公判が、25日に東京地裁で開かれました。
亡くなった警察官の同期の男性は「裁判まで長くもありあっという間でもあった」と事件からの51年間を振り返りました。

46年間逃亡し、2017年に逮捕・起訴された大坂正明被告(73歳)は、沖縄返還協定に反対する中核派メンバーの学生らが起こした1971年の『渋谷暴動事件』で、メンバーらと共謀して、新潟県警の中村恒雄巡査(当時21歳)を鉄パイプで殴り火炎瓶を投げつけて殺害した罪などに問われています。


初公判で大坂被告は、起訴内容について「すべての容疑について無実であり無罪です。証拠とされているものは当時の参加者の供述調書で、官憲による創作文でしかありません」などと否認しました。

一方で検察側は冒頭陳述で、大坂被告が「デモ隊の先頭部分で鉄パイプで機動隊員を殴打した。中村巡査が殺害された現場でもほかのメンバーとともに『殺せ、殺せ』と叫んでいた」などと指摘しました。
殺害された中村巡査の同期だった元新潟県警の中野隆さんは、事件から初公判までのおよそ51年間を「長くもあり、あっという間の月日でもあった」と振り返りました。
【中村巡査の同期 中野隆さん】
「本当に中身のある有意義な警察官人生にしていかないと『中村のためにもならない、中村の遺志を継いでやれない』という思いが常に心のどこかにはあった。いろいろな思いがあって警察官になったのに、自分の思いを叶えることができずに21歳という若さで亡くなり、すごく残念・無念だっただろうと思っています」

裁判は26日も開かれます。