ジャガイモも輸入拡大? 阻む原因は“病害虫”

コメとともに、輸入拡大を求められているジャガイモ。
国内の主要生産地のひとつ、千葉県の農園では夏の収穫に向けて、3種類のジャガイモを育てていました。

はちわれファーム 安田智洋 代表
「ジャガイモ値段が前より高くなって、夏の6~7月頃、イモが安くて邪魔だということで“邪魔イモ”って言ったり。それが値段がここ2~3年、すごく良くなって」
ジャガイモの販売価格が上がったことで、畑の面積も5倍に増やしたといいます。そんな中、飛び込んできたジャガイモの輸入拡大要求に、戸惑っています。
はちわれファーム 安田智洋 代表
「日本のジャガイモの値段をトランプさんがチェックしていると思えないが、なんでジャガイモが入っているのかなと」

現在、日本で流通するジャガイモのうち海外からの輸入は3割程度。その国別の割合を見てみると、アメリカが6割近くを占めています。にもかかわらず、なぜ、さらなる輸入拡大を求めているのでしょうか。
アメリカ・外国貿易障壁報告書
『アメリカ産のジャガイモの日本への輸出はチップス用に限定されている』

アメリカ側が指摘するのは、アメリカ産の生のジャガイモが、ポテトチップスの加工用としてしか使われていない点です。
その理由は、アメリカで発生している「ジャガイモシストセンチュウ」という病原虫を国内で広げないため。
人体には無害ですが、収穫量が大幅に減ってしまうリスクがあることから、国は厳しい輸入条件を課しているのです。
それが、もし緩和されてしまったら…

はちわれファーム 安田智洋 代表
「うちは(農)薬を使っていないので、虫が入ってこられると打つ手がない」
農家の不安に対し、江藤農水大臣は…

江藤拓 農林水産大臣
「米国が求めてきても米国だけ動植物検疫を緩める、それはちょっと考えようがない。米国は本気で求めてくるのかどうか、そのこと自体、疑問だと思う」