80年以上、店のシンボルとして時を刻み続けてきた振り子時計が、22日その役目を終えました。能登半島地震の被害を受けた高岡市伏木地区で、長年地域に愛されてきた時計店の振り子時計が新たな場所へと移動しました。この古時計の行方は、地域の人々の心を温かく包み込んでいます。
震災が追い打ちをかけた老舗時計店
高岡市伏木中央町にある「ヒミ時計店」。80年以上にわたり時計の販売や修理を行ってきた老舗です。

しかし、2023年の能登半島地震で液状化被害に見舞われ、店内に泥水が押し寄せる事態となりました。
この被害を受け、店は廃業を決断しました。建物は公費解体されることが決まりました。

店のシンボルであった振り子時計も、当初は廃棄される予定でした。しかし、店主の親戚で伏木地区に住む善光孝さんは、この時計に特別な思いを抱いていました。
善光 孝さん
「昔からの時計屋さんでだんだん町自体も寂れていくような状態で、それにこの震災が追い打ちをかけるような感じになっていて、80年この店だけではなくて伏木の商店街、あるいは子どもたちとか住民の方々に愛されてきた時計なのでぜひとも残したいという思いでした」
