まるで桃源郷のような美しい花々で大勢の人に親しまれてきた高知県香南市の「西川花公園」が2024年、閉園しました。運営していた集落活動センターは様々な悩みを抱えながらも、新たな取り組みを始めています。

(西川地区 集落活動センター 黒岩靖夫 会長)
「見る人に対しては申し訳ない、山に対してもごめんなさいという気持ちですね」

「申し訳ない」と口にする男性。香南市香我美町の西川花公園を管理してきた西川地区集落活動センターの黒岩靖夫会長です。地域の使われなくなった畑を活用した西川花公園は、春になると一面に菜の花とハナモモが咲き誇ることで知られ、高知県内でも屈指のお花見スポットでした。

(西川地区 集落活動センター 黒岩靖夫 会長)
「3月くらいに菜の花とハナモモとサクラが同時に咲くと”桃源郷”みたいになる。年間1万人に来てもらった。ランドセルを背負ったピカピカの一年生もおったし、結婚式の前撮りでも来てくれた」

多くの人に愛されてきた山里の桃源郷でしたが、2024年、惜しまれながらも閉園。背景には、メンバーの半減や後継者不足がありました。悩んだ末の決断でした。

(西川地区 集落活動センター 黒岩靖夫 会長)
「365日いろいろな世話がいるので、それに年が勝てなかった」
Q.個人的にはつづけたかった?
「続けたい気持ちはあったが、みんなが協力しないとできないので、最終的な決断は私がした」

こうした人手不足は、なにも西川地区だけではありません。県内各地で、様々な取り組みが行われていますが、県によりますと同じように後継者に悩まされているセンターは少なくないといいます。県は今年度、人口の多い高知市や、県外の人が活動を手伝うサポーター制度を立ち上げることにしています。

10年以上続いた歴史に幕を下ろした西川花公園ですが、新しい取り組みも始まっています。名前を「西川花畑」に変え、かつてほどではないにしても花々を楽しめるほか、地元の特産品をつかったジャムの販売、また、秋には旅するチョウ、アサギマダラの鑑賞会も行っています。

(西川地区 集落活動センター 黒岩靖夫 会長)
「集落活動センターをやめるわけではないので地域の活性化につなげていこうかなと、苦にならんように明るく楽しく幸せになることをやっていこうかなと」