2大経済大国の関税戦争の行方は
14日、半導体の別枠での関税に、すぐさま反応したのは中国。

中国外務省 林剣 報道官
「関税戦争や貿易戦争に勝者はいない保護主義には出口がない」
トランプ関税で新たに半導体が対象となるなか、19日、北京で開かれたマラソン大会。選手と並んで走るのはロボットです。AIによる制御など半導体技術を結集してロボット開発に力を入れる中国。世界で初めて、人とロボットのマラソン大会を開催し、その技術力をアピールしたのです。

ロボット企業担当者
「中国の技術は世界トップレベルです。私たちにはアメリカを超えるチャンスがあります」
15日から広東省で開かれた中国最大規模の国際見本市でも、多くのブースでロボットが展示されていました。そこで聞かれた声は

出展企業の担当者
「私たちの考えはヨーロッパ市場への移行に強く傾いています」
出展企業の担当者
「当社は北米市場は様子見の姿勢です。市場をASEAN地域に移すことにしました」
輸出先としてアメリカ以外への販路を拡大しようとする動き。14日から習近平国家主席が歴訪したのは、東南アジアの国々です。

最初に訪問したベトナムでは、最高指導者のトーラム書記長が出迎える歓迎ぶり。ベトナムにとって、中国は最大の貿易相手国です。
習近平 国家主席
「両国は手を携えて前進すべきだ」
共同声明では、トランプ政権を念頭に「一国主義への反対」を表明。「差別のない多国間貿易体制を維持する」と牽制しました。
次に訪れたマレーシアでは…

習近平 国家主席
「単独行動主義と保護主義という逆流をはねのけ、アジアというファミリーのより良い未来を守る」
さらにカンボジアでは、国王自らが出迎え、「この訪問は歴史的な意義を持つ」と中国に寄り添う姿勢を強調しました。アメリカに対抗して東南アジア諸国を取り込む姿勢の中国に、トランプ氏は…

トランプ大統領
「どうやってアメリカから騙し取ろうか考えようとしているのだろう」
米中の直接交渉をめぐっては...

アメリカ・レビット報道官
「ボールは中国側にある。取引を必要としているのは中国であって我々ではない」
中国外務省 林剣 報道官
「もしアメリカ側が本当に対話や交渉で問題を解決しようとするなら、圧力や脅迫をやめるべきだ」
2大経済大国の関税戦争は、どこへ向かうのでしょうか。