京都大学は、iPS細胞から作った細胞をパーキンソン病患者に移植し、一部の患者で症状が改善したと発表しました。
この結果を受けて、患者団体からも喜びの声が上がっています。

発表したのは、京都大学iPS細胞研究所の研究チームです。
難病パーキンソン病は、脳内で情報伝達を担う「ドーパミン」を作り出す細胞が減り、手足がふるえたり体がこわばったりする難病で、現在、根本的な治療法はありません。

研究チームは、iPS細胞から「ドーパミン」のもととなる細胞を作り、患者7人の脳内に移植したところ、一部の患者に運動機能などの改善がみられ、安全性と有効性が確認できたということです。

パーキンソン病の患者やその家族でつくる全国組織、全国パーキンソン病友の会の会長を務める宮崎市の甲斐敦史さんも今回の治験結果には、期待を示しています。

(全国パーキンソン病友の会 甲斐敦史会長)
「大きな希望の光になると思う、今まで治療法がなかった薬を飲むしか薬を飲んで自分でドーパミンを補給していくしかなかった。患者さんたちにとっては治療を受けられるかもしれないというのが現実的に見えてきたわけだからうれしいこと」

研究チームは今年度中に条件・期限付きの承認を得て、実用化に向けて治験を進める方針です。