大規模な土砂崩落のため9日から通行止めとなっている上高地に通じる歴史的な登山道について、長野県は、復旧と存続に向け、4月下旬に関係機関とともに現地調査を行い、復旧工事の方針などを検討することにしています。

通行止めになっているのは、松本市安曇の島々地区の登山口から徳本峠(とくごうとうげ)を通って上高地の明神に通じる、全長20キロの登山道「島々明神線歩道」の内、島々宿登山口から徳本峠までの16キロの区間です。


出典:長野県提供資料

この区間で大規模な土砂崩落が起きて、登山道の一部が流されているのを、登山道の整備を行っているボランティアが9日に見つけ、県に通報しました。

これを受け、県では、登山者の安全な通行が確保できないとして、9日から当面の間、通行止めにしています。

県では、4月下旬に、松本市や環境省、登山道の整備を行っているボランティア団体の「1095(トクゴー)登山整備隊」と、現地調査を行い、存続に向け、現状での復旧か、う回路を整備するかなどについて検討することにしています。

島々明神線歩道は、釜トンネルが整備される以前は、上高地に至る唯一の道で、日本アルプスを初めて世界に紹介したウォルター・ウェストンが歩いたことでも知られる歴史的な登山道です。

2020年の大雨や群発地震による斜面の崩落で、同じ区間が通行止めとなっていましたが、2024年の9月6日に4年ぶりに復旧して開通したばかりでした。