4月10日、奈良県の学校のグラウンドで中高生が雷に打たれる事故があり、男子中学生2人が意識不明となっています。(11日午後6時時点)
同じような事故は1年前にも起きました。
2024年4月、宮崎市内の高校グラウンドに雷が落ちて、サッカーの試合をしていた高校生18人が病院に運ばれ、そのうち1人が意識不明となりました。

この事故から2日後、文部科学省は、屋外での体育活動などについて、指導者に対し「雷注意報」の発表状況を確認するなど安全対策の徹底するよう、全国の教育委員会などに通知しました。
では、もし、屋外で頭上が開けた場所にいて避難が難しい場合、雷から身を守るためにはどうすれば良いのでしょうか。坂本くるみ気象予報士が解説します。(初出:2023年8月16日)
「稲妻の温度」は?
稲妻の温度は3万度前後。すさまじいエネルギーを持っていて、雷に関する学会では、「稲妻が人体に直接落ちると約8割の人が死に至る」と報告されています。
稲妻を避けるためには建物の中に避難するのが一番で、車の中も比較的安全です。
「近くに安全な場所がない」どうする?
電力中央研究所が「稲妻の性質」を再現した実験映像があります。
まず、屋外の開けた場所に子どもと大人のマネキンを並べると、背が高い大人のマネキンの方に雷が落ちました。

しかし、大人のマネキンよりも高い木が近くにあると、木に落ちた雷が大人のマネキンに飛び移りました。
木の近くも危険だということが分かります。

また、長靴などの「ゴム製品」や「金属類」を身に着けているかどうかも、雷の落ちやすさには関係ないようです。
雷から身を守るには、とにかく身を低くした方がいいということです。
