日本時間の今夜、イギリスやフランスなどの国々がNATO=北大西洋条約機構の本部に集まり、ウクライナへの派兵について話し合います。アメリカ・トランプ政権の誕生以降、独自に防衛力の強化を図るヨーロッパですが、簡単ではない実態が浮かび上がっています。
フランス南部・タルブにある兵器製造工場です。ウクライナ侵攻前は倒産寸前だったといいますが、今は生産ラインがフル稼働しています。
兵器製造会社「ユーロプラズマ」 現場責任者
「現在、砲弾のベースを作るために金属を1000度以上に熱しています」
この工場では、フランスの防衛企業が製造する自走りゅう弾砲「カエサル」の砲弾などを製造しています。フランス軍だけではなく、ウクライナ軍にも供与されています。
記者
「今まさに砲弾の先端部分が作られていまして、1日でおよそ450発が作られるということです」
侵攻当初は、年間1万発程度の製造でしたが、今年は20万発近く製造する計画です。
ヨーロッパはNATOを通じてアメリカの兵器や情報網などに長年依存していて、兵器の製造は積極的には行われてきませんでした。しかし…。
EU フォンデアライエン委員長
「『平和の配当』の時代はとっくに終わりました。私たちが当たり前のように思っていた安全保障体制には、もはや頼れないのです」
ウクライナ侵攻をめぐる停戦協議で、トランプ政権がロシア寄りの姿勢を鮮明にしたことで、独自の防衛力強化が急務に。
EUは127兆円規模の「再軍備計画」を打ち出すなど加盟国の国防費を増額させようとしています。しかし、製造側はそう簡単ではないと指摘しています。
兵器製造会社「ユーロプラズマ」 ガルナシュクルイヨーCEO
「防衛産業では鍛冶職人が必要ですが、育成がほとんど行われていません。人材を育成するには少なくとも数年はかかります」
元々20人しかいなかった従業員を80人に増やしましたが、生産量をさらに増やすには新たな人材と工場が必要だといいます。
兵器製造会社「ユーロプラズマ」 ガルナシュクルイヨーCEO
「防衛産業はあまりにも長い間、放置されてきた産業なのです。設備も建物も時代遅れのものしかなかったのです。私たちはすでに限界まで稼働しています」
軍事防衛の専門家は、ヨーロッパがロシアに対抗できる軍事力を持つには10年かかると指摘しています。
フランス国際関係研究所 ペリアペニェ研究員
「残念ながら、ウクライナ侵攻後の3年間でもヨーロッパは、防衛力をほとんど強化しませんでした。防衛産業が、今の需要に急に応えるのは無理なことです。10年あれば、様々な分野でロシアに対抗できるレベルに達することができるでしょう」
ヨーロッパは本当にアメリカ依存から脱却できるのか?多くの課題が浮き彫りとなっています。
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