アメリカのトランプ大統領は、9日に発動したばかりの相互関税の一部について、90日間、一時停止することを認めると発表しました。一方で、中国に対してはさらに関税を上乗せします。

トランプ大統領は9日、SNSで相互関税について、報復措置を取っていない国に対し、「上乗せ分」を90日間一時停止することを認めると発表しました。

全世界を対象にした10%の一律関税は維持するということです。

トランプ氏は「75か国以上が貿易障壁や関税などに関し、問題の解決策を交渉するよう求めてきている」と強調しています。ただ、84%の対抗関税を課すと表明した中国に対しては「関税を125%に引き上げる」と宣言しました。

相互関税の発動からわずか13時間あまりで一時停止を表明したトランプ大統領ですが、その理由については。

アメリカ トランプ大統領
「私はみんなちょっと過剰に反応しているなと思ったんだよ。みんなちょっと神経質になりすぎ、怖がりすぎだ」

こう述べた上で、金融市場の動きが判断材料になったことを認めました。

9日のニューヨーク株式市場では、相互関税の一時停止が伝わるとダウ平均株価が急反発し、2962ドルの値上がりで取引を終え、4万ドル台を回復しました。値上がりの幅は史上最大です。