「かなり悩んでいる」“総理ブレ”のワケ

TBS報道局政治部 中島哲平 記者:
ポイントの2つ目としては、「減税して元に戻せる?」という点です。
今でも「物価高」や「生活が苦しい」という声が出ていますので、税率を戻す際にも批判が予想されます。批判されて戻せなくなるのではないかという心配があります。
もし実施するのであれば、「いつ、どういう条件で戻すのか」を、きちんと提示した上でないと、消費税の減税に踏み切れない。それが石破総理の考えのようです。
井上キャスター:
消費税は将来の福祉のために必要だと言われています。でも、今の生活がこれだけ厳しいので、まずは時限的に軽減税率を下げてほしいところです。一方で、この政策はポピュリズムだという人もいます。

世代・トレンド評論家 牛窪恵さん:
消費の喚起に繋がる確信がないと言っていますが、エンゲル係数がニュースになっていて、28.3でした。これは43年ぶりの高水準です。
食費に関してコメの問題もありますし、非常に困っている状況なので、消費を喚起するのは贅沢品を買わなくてもいいものというニュアンスだと思います。
必需品に関して困っている状況なので、時限的にでもある程度やらないと、それほど苦しいということを、まずわかってほしいですね。
石破氏のイメージは、どちらかというと消費者寄りの感覚があるように感じられて、政策論者だとも言われます。
一方で、これだけブレてしまうのは、そこがあまり実感としてわかっていないのか、それとも、いろんな圧力によってブレてきているのか、どっちなんでしょうか。
TBS報道局政治部 中島哲平 記者:
両方あると思います。国民寄りのところは、本音はそんなに変わっていないとは思います。
国民が求めていること、言っていることが本当に正しいことなのかどうかは、政策的に何とも言えないところがあるんですよね。
国民の感情的な面はフォローできたとしても、それが今後の国の未来のことを考えたときに正しいのかは、やはりかなり悩んでいるところがあると思います。
あと、党内で基盤がなかなかないので、周りから何か言われてしまうと、どうしてもそっちになびかざるを得なくなっているというところがあるのも事実です。