散乱した店内 唯一無傷だった「赤いオーブン」

9年前の熊本地震で、岡本商店は全壊。店舗に駆けつけた矢野さんが、何もかも散乱する中で見つけたのは、赤いオーブンでした。

矢野さん「すごくうれしかった。無傷だったので。赤いオーブンを持って、仮設の店舗で益城プリンを作り始めたんです」

5か月後、岡本商店は唯一無事だった赤いオーブンとともに、仮設団地の商店街で営業を再開しました。

人気商品だった「おやつプリン」のネーミングを「益城プリン」に変えたのも、この時です。

矢野さん「赤いオーブンが熊本地震で壊れていたら、今頃こうやってプリンを作っていない」

13年前から使い始めたオーブン。去年(2024年)の年末頃から焼きムラが出るなど、調子が良くないと言います。外国製のオーブンのため部品の調達に時間がかかることから、この春、引退させることを決めました。