20日に行われたプロ野球ドラフト会議で巨人から1位指名を受けた高松商の浅野翔吾(17)。浅野といえば、今年夏の甲子園で3本塁打に打率7割と強烈なインパクトを残した高校生スラッガーだが、その能力は小学生の頃から突出していたという。

浅野が所属していた少年野球チーム「屋島シーホークス」で、監督として指導した西岡宏城さんは「小学校の時から飛びぬけた選手。足の速さ、肩の強さ、身体能力はずば抜けていた」と当時を振り返る。

小学5年生にしてチームの4番を務め、本塁打。捕手としては一、二塁間の中央付近までランナーが進んでいても、そこからノーバウンドで送球しあっさりとアウトにしてみせる強肩ぶり。その身体能力は野球だけに留まらず、6年生の時に出場した香川県小学生選抜陸上大会100m走では優勝、12.66秒を記録するなど足も速い。当時について浅野本人は「『化け物や』とか『怪物や』とか、よく言われていました」と回想する。

中学時代は市立屋島中学軟式野球部キャプテンとして全国大会に出場。初の快挙に地元は湧いたが、遠征費が足りないという問題がー。そこで浅野らが募金を募ると、総額60万円が集まったという。地元で飲食店を営む吉田さんが「困っているんなら、翔吾のためならって募金している人がたくさんいました」と話すように、浅野らが地元で愛される存在だったかが伺える。

浅野は数々の強豪校からの誘いを断り、地元・高松商業に進学。昨年12月、指導に訪れた元メジャーリーガーのイチローさんも「化け物だな、マジで」と浅野の打球に驚き、その才能に太鼓判を押す。

「いつまでも応援してくれるような選手になって、いつか地元の方々に恩返ししたい」と話していた浅野。地元の“希望の星”がプロの世界でどんな活躍を見せるのか。

◆浅野翔吾(あさの・しょうご)
2004年11月24日生まれ、香川県高松市出身、171cm 86kg。右投げ両打ちの外野手。屋島スポーツ少年団で野球を始め、屋島シーホークス、屋島中では捕手を務めた。U-15日本代表としてBFAアジア大会優勝に貢献。高松商では1年夏からレギュラー。昨年12月にはイチロー氏の指導を受けた。今夏の甲子園では準々決勝で近江に敗れるも、10打数7安打、打率.700で3本塁打を放ち、打点6、3四球2死球の出塁率.800をマーク。U-18W杯代表に選出された。高校通算68本塁打。