利用者の低迷が続くJR大糸線の活性化のため新たな取り組みが始まっています。
キーワードは、「新幹線」と「バス」です。

新潟県のJR糸魚川駅。
やってきたのはJR大糸線と並行して走る「臨時バス」です。

JR西日本と東日本の境となる南小谷駅などを経由して、糸魚川駅と白馬駅の間を往復します。

白馬村や小谷村、糸魚川市など、沿線の自治体とJR西日本などで構成する「大糸線活性化協議会」は、本数が減っている大糸線のルート自体を活性化させようと、去年6月からバスの運行を始めました。

ねらいの1つは関西や北陸方面からの誘客です。

■JR西日本・金沢支社 鹿野剛史地域共生室長:「北陸新幹線の敦賀の延伸を契機にご利用の最大化に向けて、地域の皆様や我々事業者、そして国の補助も得ながら、この増便バスの事業をスタートした」

去年3月の北陸新幹線の敦賀延伸を受けて、新幹線経由の乗客をターゲットに据えました。

■大糸線活性化協議会 内山俊洋事務局長:「非常に白馬エリアがすごく盛り上がっている。そういうお客様がどういう形で来ていただくかというアクセスの課題を私たちが一翼を担っている」

バスの活用も試行錯誤が続いていますが、去年、あることがきっかけで、利用する人が増えたといいます。

バスの運行は糸魚川市や白馬村の会社が担い、週末や連休を中心に1日あたり片道3本ずつ運行されます。

■利用客は:「高校で部活があったので、その帰り」

この日利用していたのは、大糸線の根知駅から糸魚川駅まで通学する高校生です。

■利用客は:「このバスがちょうどいい時間にあって、大糸線だと1時間半近く待たなければいけない。電車と電車の間の時間が結構長いので、間に1本あるだけでありがたい」

JR大糸線の列車の運行は、1日に数本程度。

また、たとえば糸魚川と白馬の間を利用する場合、JR西日本と東日本の管轄がかわる南小谷駅で列車を乗り換える必要があります。

一方、並走する臨時バスは、一部を除いて列車の駅を経由し、乗り換える必要はありません。

■利用客は:「地域の活性化につながると思いますし、こういう便を増やしてほしい」

利用者の増加で期待がかかるのが、白馬を訪れるインバウンド客です。

去年は12月に白馬八方バスターミナルを新たに停留所に加えたところ、スキーに訪れる客などで利用者が増えました。

■大糸線活性化協議会 内山俊洋事務局長:「グリーンシーズンの8月とかでも、多くの人が利用しているし、さらに(利用客が)最大化していくような取り組みに今年度はしていきたい」

試行錯誤が続く大糸線の活性化。ルート自体を認知してもらうことも今後の課題といえそうです。