パワハラ問題が村長への不信任決議と議会の解散にまで発展した舟橋村。18日告示された村議選の立候補は午後5時に締め切られ、7人が無投票で当選を決めました。うち6人は不信任案賛成の意向を示していて、古越村長が失職する公算が大きくなっています。
「万歳!」
舟橋村議選に立候補し無投票で当選した新人の酒井信行氏です。

舟橋村議選初当選 酒井信行氏:
「イバラの道、火中の栗を拾いながらも、一歩一歩の前進になろうかと想像しております。奇跡の村の復活、再出発のために、微力ながら進んでいきますので、今後ともご支援ご支持、賜わりますようお願い申し上げます」

村民の関心も高まった今回の村議選。きっかけは9月16日の本会議でした。
舟橋村議会 森 弘秋 議長(当時):
「賛成の諸君の起立を求めます。起立6名であります。原案の通り可決されました」
古越村長に対する不信任決議が全会一致で可決しました。発端は役場内で10年以上にわたり横行していたパワハラ問題の発覚。当時副村長だった古越村長の責任が問われ、村長は辞職するか議会を解散するかの2択に追い込まれる形となりました。
舟橋村 古越邦男村長:
「議会を解散するため通知します」
村長が選んだ道は議会の解散。可決されてから1時間後の決断でした。
舟橋村議会 森弘秋 議長(当時):
「非常に残念です」
舟橋村 古越邦男村長:
「私も残念です」
村長と議会の対立は異例とも言える村議選へと発展したのです。
今回の選挙、不信任案を提出した前村議の竹島氏は、舟橋村の舵取り役に古越村長が適任かを問う選挙と位置づけていました。
舟橋村議選に再選 竹島貴行氏:
「議会が不信任を全会一致で可決しました。そして、村長が議会を解散しました。このどちらが正しい行いであったのか、これを問う選挙じゃないかなと考えています。今後の舟橋村について皆さんとともに考えていくんだということを訴えながらこの選挙戦を戦っていきたい」

結果、立候補したのは定数7に対して前職5人、元職1人、新人1人の7人。村長側が候補者擁立を模索しましたが擁立できず、無投票となりました。

今後の村政の行方を左右するのは来週開かれる臨時議会です。
竹島氏は改めて村長に対する不信任決議案を提出すると表明。今回の当選者7人のうち6人が賛成する意向を示しています。
議員3分の2以上が出席し、半数以上が賛成した場合は不信任案が可決。古越村長は失職し、50日以内に村長選挙が行われる公算が大きくなっているのです。

この事態を受けて、古越村長は…。
舟橋村 古越邦男村長:
「そのよう(不信任案の再可決)にならないように議員のみなさんにお話をしていきたいと思っております」
舟橋村 古越邦男村長:
「厳しいとは思いますが、働きかけて議員のみなさんにお話をしていきたいなと思っています」

村長選になった場合、出馬するかとうか問われると。
舟橋村 古越邦男村長:
「はい、そうですね。ただ相談しないと、どうにもなりませんので。私一人で『出ます、出ます』と言ってもですね。他の人がそれはという話になるとどうにもなりませんので」
一方、竹島氏は古越村長の辞職を今も求めています。
舟橋村議選に再選 竹島貴行氏:
「今回の結果をふまえながらですね、不信任決議案の提案理由を組み立てる。村民のために禍根を残さないようにきちっと決着をつける」

記者:
「注目を集めた村議選は無投票と論戦がないまま終わりました。日本一小さな村の政治を見つめなおす機会は、村長選に委ねられることになりそうです」