中国政府は、中国で拘束された台湾の出版社の編集長に裁判所が懲役3年の判決を言い渡し、その後、刑が確定したことを明らかにしました。

台湾で中国に批判的な書籍を発行する出版社「八旗文化」の李延賀編集長は、2023年3月、中国に渡航したあと当局の取り調べを受け、国家分裂扇動罪で起訴されました。

中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の陳斌華報道官は、2月17日に上海市の第一中級人民法院が李編集長に対し、懲役3年の判決を言い渡したと発表しました。具体的にどの行為が罪に問われたのかは明らかにしませんでした。

陳報道官は「李編集長は法廷で罪を認めた」としたうえで、その後も上訴しなかったため刑が確定したということです。

「八旗文化」は新疆ウイグル自治区に関連する本などを出版しており、拘束当時、台湾メディアは「中国で禁止されている本を出版したことが原因では」と報じていました。

台湾での自由な言論活動が中国で罪に問われるという事態に、台湾の出版界では「言論の自由を委縮させるものだ」と危機感が強まっています。