四大公害病の1つ「イタイイタイ病」をめぐり、今後発症するおそれがあるとして富山県が判定した「要観察者」が先週、亡くなっていたことが分かりました。

イタイイタイ病は神岡鉱山から流されたカドミウムが原因で神通川下流域の住民たちに引き起こされた公害病です。

おととし7月の認定審査会で富山市婦中町の女性(当時94)がイタイイタイ病に発展する可能性を否定できない「要観察者相当」と判定されました。

女性はカドミウムによる慢性腎不全と診断され、治療を続けていましたが、2月に体調を崩して入院。先週、95歳で亡くなりました。

去年8月には、生存していた唯一の「認定患者」が亡くなっているため、イタイイタイ病の「要観察者」「認定患者」ともにゼロとなりました。

被害者団体「イタイイタイ病対策協議会」の江添良作会長は「カドミウムによる健康被害がなくなったわけではない。公害の風化を防ぐために、被害者団体として、活動を続けていきたい」とコメントしています。