宮城県南三陸町のホテルが続けている東日本大震災の語り部バスについて、地元の子どもたちを対象にした無料の運行が、24日から始まりました。

「南三陸ホテル観洋」では、2011年から震災の語り部バスを毎朝、運行していて24日は、宿泊客に加え、地元の小中学生9人が乗車しました。乗車には、通常大人500円子ども250円がかかりますが、ホテルでは春休みに合わせ、24日から地元の小中学生と高校生を対象に無料の運行を始めました。

バスは、宮城県南三陸町志津川にある民間の震災遺構「高野会館」へ。

南三陸ホテル観洋 阿部裕樹副支配人:
「どーんと壁に当たった波が、なんと12,3メートルも上に上がったそうです。波しぶきが屋上に入ってきて、おじいちゃん、おばあちゃんたちがびっくりした」

結婚式場だった高野会館には、3階天井まで津波が押し寄せましたが、当時、中にいた住民らは、屋上に逃げ難を逃れました。

参加した小学生:
「あらためて津波の恐ろしさを知った。被害を受けた人の悲しさがわかり、良い機会だった」
「(学校で)何かの発表の時にきょう学んだことを上手く伝えたい」

南三陸ホテル観洋 小野寺浩支配人:
「次の世代の人たちがどのように伝えていくかということを考えていかなくてはならない」

無料の語り部バスは、気仙沼・本吉地域に住む小中学生と高校生が対象で、4月7日まで運行されます。