「正しいとは思ってない」誹謗中傷“選挙動画”つくるワケ

報道特集は先週、仕事仲介サービス「クラウドワークス」を通して、ネット上に拡散される政治系動画の制作者に報酬が支払われていた実態を報じた。
今回、そのワーカーに動画制作を依頼したクライアントが取材に応じた。

男性は子供が生まれたことをきっかけに、 政治に関心を持ち、 副業としてYouTubeチャンネルの運営を始めたという。
男性が運営する3つのチャンネルには、兵庫県知事選関連の動画が多く並んでいた。その理由は…
動画の発注者
「ニーズですよねシンプルに。当時は兵庫県知事選挙がトレンドだったからっていうのもある」
選挙期間中の立花氏の発信に字幕をつけ編集した動画も…
立花孝志 氏(11月1日投稿)
「今回で一番悪いのは文書を作った竹内。嘘をついているのが奥谷。頭の悪いやつらがマスコミと組んでクーデターを起こしているということなんで、正しく皆さん理解して投票に行ってください」
立花孝志 氏(11月8日投稿)
「不同意性交罪の疑いが極めて高い。ちなみに知事からのパワハラなんて1ミリもないですからね。僕はもうとにかく、皆さんに選挙において正しい情報を得て、投票に行ってほしい。それだけですよ」
男性は、クラウドワークスを通じて、選挙に関連した動画の制作に報酬を支払っていた。これは公職選挙法の買収罪に当たる可能性がある。
――立花さんの言ってることが正しいと思って、これを作られてるんですか?
動画の発注者
「正しいとは思ってないですけど。善悪のジャッジを僕はできないまま、これを発信している。ただ、立花さんが言ってることをシンプルに届けるとこうなったって感じです」
――竹内さんは、学齢期のお子さんも残されて亡くなられた。奥様は大変苦しまれている。こういうタイトルをつけて、視聴回数が伸びると考えられたことは理解しますが、それは「誹謗中傷」という一言で終わらない、人の苦しみがその先にある。その痛みをぜひ理解していただきたい。
動画の発注者
「誰かを傷つけるために動画を作っているわけではないはずだったので、なんかすごく今、だめだな、むしろそれがもし僕がこの動画が(誹謗中傷)の一端を担いでしまっているならば、SNSに侵されたじゃないですけど。なんか、そうですね非常に反省ですね。やっぱり子供に対して、それが胸張ってできることかって、本当に非常に情けない」
取材を受け、男性は中傷動画を載せていたチャンネルを閉鎖した。