2024年、ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会の代表委員田中熙巳さんが21日、東北大学で講演し若い世代らに戦争の悲惨さや平和へのメッセージを話しました。

日本被団協 田中熙巳さん:
「今ある核兵器がもし使われることがあって大きい核戦争が起こったらそのことによって人類は破滅する。そうなるかもしれないと若い人たちには考えてもらいたい」

日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳さん(92)は、1945年、中学生の時に長崎県の自宅で被爆した経験を持ちます。

日本被団協 田中熙巳さん:
「爆撃機が一機で何もできるわけないから偵察して飛び去って行くと思って気を緩めたところで、突然まわりが真っ白になった。気を失ったので爆音も聞こえない、爆風がやってきたのも記憶がない」

1960年に東北大学工学部に助手として就職した田中さん。助教授を経て1996年に定年退職するまで、大学で研究する傍ら核廃絶などを訴えてきました。田中さんが代表委員を務める日本被団協は、2024年12月にノーベル平和賞を受賞。田中さんは、ノルウェーのオスロで世界に向け核廃絶を訴えるスピーチをしました。

21日は、応募で集まったおよそ700人の前で核爆弾の恐ろしさを考えほしいと訴えました。

日本被団協 田中熙巳さん:
「すぐ爆発できる、発射できる状態にある(核兵器が)地球上に4000発ある。そういう世の中に私たちは毎日生活している。そのことを忘れないでほしい」

講演を聞いた人:
「衝撃的でリアルな話が聞けて良かった」
「戦争を経験した人が減っている中で自分たちにできることは経験を語り継ぐほかにウクライナなどの現状を見つめ直すことをやっていかないといけない」

田中さんには東北大学の国際的な存在感を高めたとして大学から国際功労賞が贈られました。