父の死に関わった人物との“約束”
平田信 元幹部
「事件から時間が経ったので、一区切り付けたかった」

平田元幹部が仮谷さんに初めて手紙が書いたのは、出頭直後の2012年1月。
「謝罪をするのがこんなにも遅れたことから先ず、お詫び申し上げます」
その後、開かれた法廷での態度について、実さんは「他の教団幹部とは違った」といいます。

仮谷実さん
「彼が法廷に入ってきたときは、目を合わせて礼をし、頭を下げるというのを最初から最後までやっていました。他の人たち(幹部ら)からは一切ないです」
ほかの教団幹部が事件について詳細を語らないなか、裁判が行われている最中に届いた手紙には、事件についての説明がありました。
「この事件は御存知の通り、教祖という狂者と、その狂者を崇めてしまった愚者共とがマッチしてしまった極めて理解し難い構図によって成り立っています。私を含めて十数人で假谷様を殺したとのお考えに、私に反論はありません」
手紙には事件への後悔も多く綴られています。

「『休日には競馬を一緒に楽しんだ』というエピソードに触れる度に、生活の息遣いや幸せが感じられ、己の愚行を心より後悔しております。申し訳ありませんでした」
仮谷さんの命日である3月1日に書かれた手紙には…
「この日はコーヒーを供養させて頂きました。さすがにドリップコーヒーとはいきませんし、チーズケーキも用意は出来ませんが、今年は私なりに何か形のある行為をしたかったのです」