TUFの番組で伝えてきた、福島県浪江町の帰還困難区域・赤宇木地区の記録誌。完成からまもなく1年となりますが、全国各地の図書館などに置かれ、反響が静かに広がっています。こうした中、制作した赤宇木地区の元区長が、東京でふるさとの現状と記録誌に込めた思いを語りました。

東京・杉並区のJR高円寺駅。浪江町赤宇木地区の元区長・今野義人さんが到着しました。

Q.どうですか、久しぶりの東京は。東京、いつぶりですか
「十数年前に来たことがあるんだけど、やっぱり活気が違うね」

十数年ぶりの東京。慣れない道を歩きながら、区の文化施設に到着しました。

今野義人さん「 うまく(テーマに)合わせられるかな」

去年の春に完成した赤宇木地区の記録誌。帰還困難区域となったふるさとの姿を残すため、区長だった義人さんの発案で、編さんが始まり、10年の歳月をかけて、去年の春に完成しました。その記録誌の制作過程や、赤宇木地区の現状を広く知ってもらおうと、被災地で活動するNPOが主催するイベントで、講演をすることになりました。

紺野宏さん「だとすると、極端な話、話の3分の1は地震起きた時から4次避難までの流れを軽く言ってもらって、あとの3分の2は記録誌…」

東京の人たちに、どうすれば自分たちの思いが伝えられるか。同じ講演会に参加する別の区長とともに、本番の直前まで、打ち合わせが続きました。