任意の事情聴取を経て、夫婦はまず9匹のミニチュアダックスフントを道に放置した疑いで9月29日に逮捕された。そして、別の19匹を夫婦が住む北九州市戸畑区内の公園などに捨てたとして約2週間後の10月14日に追送検された。いずれの容疑も認めているという。

◆好きが故に・・・ペット好きの悲哀“多頭飼育崩壊”

警察によると、立件を見送ったものも含めると、夫婦は計50匹以上のミニチュアダックスフントを遺棄したとみられている。これだけの数の人気の犬種がどこから来たのか?答えは、夫婦の自宅で繁殖したものだった。

夫婦の自宅アパート

「えさ代が月に13万円かかっていました」警察の事情聴取に夫婦が語った。インターネットで飼い主を募ったものの、犬が高齢だったため引き取り手は現れなかったという。

「多頭飼育崩壊だったのでは・・・」捜査員は直感した。

◆おむつで“避妊”するも「噛みちぎった」

ペットをこよなく愛していたはずの夫婦が、山道に捨てた疑いが持たれるほどの“犬の敵”に転落した経緯を捜査関係者が詳しく明かした。

この部屋で50匹が・・・

妻が最初にミニチュアダックスフントを飼ったのは20年前に遡る。雄の1匹だった。2年後に今の夫と結婚。その後、ミニチュアダックスだけを迎え入れ続けた結果、2011年ごろには30匹を数えるようになっていた。一般の家庭で飼える数でないことは明らかだ。

「はじめは繁殖しないようにおむつをしていました」

“おむつ”による避妊が長続きするはずもない。夫婦はさらに続ける。

「おむつを噛みちぎって繁殖行為をはじめ、手に負えないと感じました」