新幹線開業で観光客は増加
1年前には福井県の敦賀まで延伸、関西方面との移動時間も短縮されました。
滋賀県からの観光客の男性
「前は金沢に旅行していて、富山は来たことなかったし、敦賀まで新幹線通っているので、それで行きやすくなったな」
富山県内の観光客数は新幹線開業直後から徐々に増加し、年間3500万人前後で推移していた観光客数はコロナ禍で一度落ち込んだものの、2023年には約3900万人まで回復しています。
専門家は――
北陸経済研究所 倉嶋英二さん
「石川県が開業後もコロナ禍まで数年間水準を維持してきたのですが、一方で富山県はだんだんと元に戻りつつある。時間が経つにつれて開業効果が薄れていった」

観光庁の「宿泊旅行統計」によりますと、新幹線開業前の2014年を100%としたときの、富山県と石川県の宿泊者数の推移をみると、コロナ禍後は石川県に比べ伸び悩んでいることが分かります。
一方、専門家が大きな変化があったと指摘するのはビジネス面、県外企業の県内進出です。
北陸経済研究所 倉嶋英二さん
「富山県が関東のマーケットとして重視されるようになって、工場を進出する、あるいは支店をつくる、営業所をつくる、そういう動きが進んだ」
北陸経済研究所によりますと、首都圏に本社を置く企業の県内進出は2009年から2021年までに773事業所で、従業員数は1万5900人増加しています。
北陸経済研究所 倉嶋英二さん
「富山全体の産業集積度が上がったという点で、雇用面と県民所得面の影響というのは間違いなく出ているかなと」