「爆破されたクリミア橋は、工事中に猫が住み着いた」


 ウクライナ全土への砲撃や核攻撃の可能性に対して、ロシア国内ではどう報じられているのでしょうか。ロシア在住の日本人ジャーナリスト・徳山あすかさんに国内の最新トピックスと街の様子、市民の受け止めを聞きました。

―――ロシアにある、マクドナルドやスターバックスが改装して営業しているという話があります、街の賑わいはどうなんでしょう。

そうですね。普通にお客さんも入って、通常営業しています。「スターズコーヒー(以前のスターバックス)」は開店直後に1回行ったんですけど、混んでいてなかなか席も取れなかった。クロワッサンが以前より大きくなった、と思ったんですけど、一緒に行った友達は、コーヒーは前の方が良かったと言っていました。


―――8日にクリミア橋が爆破されました。ロシア国内ではどのように報じられたんでしょうか。

はい、ウクライナのテロである。ウクライナの特殊部隊の犯行であって、トラックの運転手さんが利用されて、犯行に至ったと報じられています。クリミア橋は、建設されている途中から「今こんなふうに造ってますよ」など逐一ニュースになって、橋の建設中に猫が現場に住み着いたんですけれど、その猫に「橋ちゃん」っていう名前をつけて国民がテレビで見守っていたので、思い入れっていうのがあると思うんです。

―――この爆破に対する報復攻撃として3日間ウクライナ全土での攻撃がありました。ロシアではどう伝えられてますか。

ラブロフ外相も「報復だ」と発言しているので、その見方で間違いないと思うんですけれども、タカ派の中にはクリミア橋をやられたら相応の報復が必要だと思っている人もいるので、象徴的な首都攻撃するっていうふうに至ったんだと思います。

―――民間人も多く犠牲になっています。

公園など子供が遊ぶような場所に巨大な穴が開いている写真は、SNSなどでロシアでも拡散しているので、それは本当に衝撃的なことだったと思います。

―――NATOの軍事支援についてロシアではどう受け止められているんでしょう。

NATOが軍事支援して武器を送ってくることによって、いつ終わるともしれない状況が続くので、今起こってることに賛成反対に関わらず、ネガティブに捉えてる人が多いと思います。