駒ヶ根市の総合建設業「ヤマウラ」の子会社を舞台にした親子による巨額横領事件で父親にも判決です。

息子の求めに応じて9億円余りを横領したとされる元社員の男に「息子の要求を拒絶すべきだった」として懲役10年の実刑判決が言い渡されました。

業務上横領の罪に問われたのは、「ヤマウラ」の元社員・村田浩幸(むらたひろゆき)被告・64歳です。

長野地裁伊那支部で開かれた13日の判決公判で、五味亮一(ごみ・りょういち)裁判官は「子会社の経理責任者としての立場にありながら、数年間にわたり9億490万円もの金を横領し、会社に与えた被害は甚大であった」と認定。

懲役13年の求刑に対し懲役10年の実刑判決を言い渡しました。

今回の事件は借金返済に追われた長男の俊樹被告が浩幸被告に金の工面を依頼。
横領された金はすべて俊樹被告が関係する口座に振り込まれていました。

2月に行われた俊樹(としき)被告の判決公判で伊那支部は、「長男が金銭を要求しなければ父親が犯行に及ぶことはなかった」と非難したものの言い渡したのは懲役7年。

きょうの判決では「長男に主導されながらも、毅然と拒絶することなく、経理責任者として資料を確認せずに要求に応じた」と、経理の知識のある父親としての責任を果たさなかったことなどを厳しく非難し、業務上横領としては重い、懲役10年の判決となりました。