タレントやスポーツ選手の間でオンラインカジノ問題が広がりを見せているなか、警察庁がオンラインカジノの実態調査を行った結果、国内での年間の賭け金が推計で1兆2000億円以上にのぼると明らかにしました。国による調査結果の公表は初めてです。
コロナ禍で利用客が急激に増えたとされるオンラインカジノ。
海外の法律に照らしてその国では合法的に運営されていても、日本国内からアクセスし金を賭ける行為は「賭博罪」にあたり、法律で禁じられています。タレントやスポーツ選手が、オンラインカジノで賭博をした疑いがあるとして活動を自粛するケースもあり、社会問題化しています。
こうしたなか、警察庁は国内のオンラインカジノの利用実態を把握するため、民間のリサーチ会社に委託して全国の15歳から79歳の男女およそ2万7000人を対象に「利用経験」についてアンケート調査を実施。
その結果、日本全国の人口に換算すると、国内でオンラインカジノの利用経験者が推計でおよそ337万人にのぼったことがわかりました。現在もおよそ197万人が利用していると見込まれています。
「サイトにアクセスしたことがある」と回答したのは1252人で、このうちおよそ75%が実際に金を賭けていたということです。
オンラインカジノは賭け金を必要としない無料版を入り口に、遊んでいるうちに有料版に誘導され、利用客の多くは依存症に陥りやすいとされています。
警察庁は、オンラインカジノの経験者500人と未経験者6500人のあわせて7000人に対して、賭け金や依存症の自覚、違法性の認識などについても調査。
その結果、経験者1人あたりの賭け金は月の平均で5万2000円ほどで、年間の賭け金の総額は推計でおよそ1兆2423億円に達したことがわかりました。
経験者のうち、およそ60%が「依存症の自覚がある」と回答。
「違法と認識していなかった」と回答した人は全体のおよそ43.5%で、理由として「パチンコや公営ギャンブルがあるから」「海外で合法化したというニュースを見たから」「広告で見たから」などが挙げられています。
このほか、オンラインカジノを比較するランキングサイトから、日本語で利用可能の上位40サイトを分析しました。
その結果、「日本からの利用禁止」と明示しているのはわずか2サイトのみで、8サイトは日本語専用でした。さらに、アクセス率が確認できる35サイトのうち6サイトは、日本からのアクセスが100%だったということです。
各サイトの運営会社はオンラインカジノを運営できるライセンスを海外で取得していて、そのうち7割がカリブ海の南部に位置するオランダ領キュラソーでした。
警察庁は、この調査結果を受け、日本人がオンラインカジノに依存しやすく多額の金を賭ける傾向にあることを狙って、日本語対応のサイトが次々と開設されている実態があるとみています。
スポーツ選手などの著名人をサイトの広告塔に採用しているケースもあり、警察庁は「賭博の幇助にあたる可能性もあり、注意を呼びかけていきたい」としています。
警察庁によりますと、オンラインカジノでの賭博に関与したとして去年1年間、全国で摘発された人数は前年と比べておよそ2.6倍の279人。
摘発は、オンラインカジノの胴元と賭け金のやり取りを仲介する「決済代行業者」や、広告などで利用者を勧誘する「アフィリエイター」が多く、警察庁は「匿名流動型犯罪グループ」=通称・トクリュウが関与しているとみて実態解明を進めています。
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