東日本大震災からきょう(11日)で14年です。岡山・香川の各地からも、鎮魂の祈りが捧げられました。

香川県庁「黙とう」
笠岡市「黙とう」

地震が発生した午後2時46分。岡山・香川の各地で犠牲者を悼み、黙とうが捧げられました。

2011年に発生した東日本大震災。死者数は全国で1万5900人、いまなお2520人が行方不明のままです。

避難者数は約2万8000人、今も岡山県には808人が、香川県には34人が避難しています。

関東から岡山に避難してきた服部育代さんは、震災から14年たった今も、避難先の生活になじめず、精神的に不安定になる避難者が多いと話します。

(服部育代さん(ほっと岡山代表))
「これから、どうしたらいいのかとか、心のよりどころがない不安を10年超えてよくみなさん口にされますね」

こうした中、被災者に寄り添いたいと、笠岡市では市民団体がイベントを開催。津波の被害が大きかった宮城県南三陸町の海産物などを販売しました。

(市民団体「明日への架け橋Kasoaka」上一枝さん)
「忘れていないということが一番大事だと思いますので、物販をすることによって、南三陸のモノを買うという支援、そういうことができると思っていて、ずっと続けてきています。」

年月が経ち、記憶の風化や伝承も課題となっています。

弔意を表すため、半旗が掲げられた岡山県です。危機管理課の職員は県民にいま一度、防災への意識を高めてほしいと話します。

(岡山県危機管理課 難波通高広域防災班長)
「私どももこの日を新たな区切りと思って、引き続き安全な岡山を作っていきたい」

災害から命を守るために…きょうは巨大地震を想定した訓練も各地で行われました。

岡山市西消防署が企画した訓練には、地域の消防団員ら約30人が参加し、負傷者の手当てなど初期対応を学びました。

(岡山市消防団西地区 蜂谷博之副団長)
「火災を対象とした訓練が多いんですけど、今回は初めて大規模災害を対象にした訓練をさせていただきました。これからも訓練を重ねて、ひとつずつのことを確実にやっていけるようにしたい」

「津波警報出ました!退避しますので車両の準備をお願いします」

玉野市では、バス会社が地震を想定した訓練を実施。津波の被害に遭わないよう従業員が走行中の路線バスに無線で連絡し、近くの高台へ誘導しました。

(両備バス玉野営業所 豊田賢チーフマネージャー)
「お客様と社員の命を守ることを一番優先に考えるべきだと思いますので、今回訓練ができて動きを一通り確認できたことはよかったことかなと思います」

関東から岡山に避難してきた服部さんも、今以上に災害に備えられる社会になることを願っています。

(服部育代さん)
「みなさん他人事でないということを、3月11日には(考えてもらいたい)。東北で被害に遭われた方のお祈りもそうですし、今なお解決していない問題に、よく向き合ってほしいなと思います」

震災から14年。鎮魂の祈りとともに、「命を救う」「命を守る」防災への思いも新たにした3.11です。